複数の部屋でテレビを視聴するために

「近々二世帯住宅を新築する事になりました。それぞれの世帯にアンテナが必要でしょうか?」
若いご夫妻からこんなご相談が寄せられました。二世帯住宅を作られる方からはよくあるご質問ですが、複数の世帯同居でも「アンテナ1本」で各世帯、それぞれの部屋でテレビを視聴することが可能です。複数のテレビを「アンテナケーブル」とUHF放送やBS放送を複数のテレビに分けるための「分配器」でつなぐことでご家族の皆様でテレビを楽しむことができるのです。

「分配器」について

1基のアンテナで受信したUHF、CATV、BS・110度CS放送の信号などを複数の部屋で視聴するために等しく分ける機器が「分配」器です。2つに分ける時には2分配器、3分割には3分配器、市販されているものでは8分配器、集合住宅用ではそれ以上の分配も可能になります。複数に分けることは可能ですが、分配された電波は元の電波よりも弱くなってしまうため、微弱になった電波を増幅して、視聴できるレベルにまで補強する「ブースター」が必要になる場合があります。

「分配器」は大きく分けると「1端子電流通過型」と「全端子電流通過型」に分けられます。衛星放送の電波を分配する際は、使用する分配器によっては衛星放送の視聴が出来なくなる場合があるのでその仕組みを知っておく必要があります。1端子電流通過型の分配器で分配した場合、電流は1つの端子にしか流れません。衛星放送が見られるアンテナを設置し、衛星チューナーを台数分用意したりしていても、電流通過側のテレビの電源を切ると分配された他のテレビでは衛星放送の視聴が出来なくなってしまい衛星放送が見られるのは1台のみ、ということになります。一方、全端子電流通過型で分配した場合はどのテレビにも電流が送られ、衛星アンテナで受信した電波を分配器とチューナーを通してテレビに行き届かせることができるため、どのテレビでも常に視聴が可能になります。衛星放送を複数台のテレビで視聴したいという場合は、この前端子電流通過型の分配器を購入が必要ですが、1端子電流通過型の分配器に比べて価格が高いことに加えて分配後の電波が弱くなってしまうという弱点もあります。

現在4k・8kテレビを使用している場合や、今後4k・8kテレビの購入予定がある場合は、4kや8kテレビに対応した分波器かどうか確認する必要もあります。

「分配器」「分波器」「分岐器」の違い

「分配器」と名前や形がとても良く似ていて混同されやすい物に「分波器」と「分岐器」があります。
どちらもアンテナで受信した信号を受信機器であるテレビに接続するために使用する機器ですが、「分配器」と混同しないためにも、違いや使い方を知っておく必要があります。

「分波器」とは

1本のアンテナ線にまとまって送られてくる地デジとCS/BSの信号を分けるための機器です。電波が混じりあってテレビがうまく受信できず視聴出来ない場合に分波器を使うことで周波数によって電波を分け、視聴を可能にします。テレビの種類によってはテレビ自体に電波器と同様の機能が備わったものもあるので、分波器が必要かどうかは視聴するテレビごとに確認する必要があります。

「分岐器」とは

電波を均等に分配する「分配器」に対して、「分岐器」は電波の一部分だけを分岐させることが可能です。分配器では2分割した際10の信号は5対5になりますが、その割合を8対2、3対7といったように分けることが出来るため、フロアによって部屋数が違うマンション、アパートなど広範囲で複数のテレビへ電波を送りたいときに使われます。「分岐器」は個人では必要になるケースがほとんどないので「分配器」と間違えないようにしましょう。